2021年 08月 20日
「謎解きカラマーゾフの兄弟 」 再読 大和希一郎 |
江川卓 新潮選書の著作である。
江川卓は昭和54年に「カラマーゾフの兄弟」の新訳を
だしている。それだけにこの解説書は、ドストエフスキーの
語法のもちいかたに詳しい。
さらに主人公のアリョウシャの13年後の人物像、その役割を
げんだいのキリストとして描き出している。
これはドストエフスキーが続編で創作するはずの重要人物であった。
ドストエフスキーは晩年、人類を救うものとしてキリスト像
の創造にこだわった。
これは、世直し(革命)を目指してシベリアへおくられた
じぶんの自画像が入っているように思えてならない。
by pckiichiro
| 2021-08-20 12:17